以前の投稿で
ES研修とは人材育成、人材活用の前提となる環境を整備するもの。
いわば、人材育成のStep0であるというお話をしました。
そして、ES研修というのは
・人間関係因子
・自己実現因子
・経済性因子
の三要素から構成されているということを述べました。
今回はその構成要素の
・経済性因子
について、詳しく説明していきます。
① ES研修における経済性因子とは
② 経済性因子にアプローチすることの深い意義
③ 経済性因子にアプローチするための注意点
④ まとめ
① ES研修における経済性因子とは
人事育成、人材活用のための
ES研修における経済性因子とはどういうものか詳しく説明していきますね。
経済性因子という表現をすると、
非常にわかりにくいですがもう少し砕けた表現をすると
『賃金、処遇制度、雇用の安定のように収入を得る手段に関する点を重要視する因子』です。
早い話がお金に関する満足度を高めて、業務の生産効率を上げていこう
ということです。
読んで字のごとく、経済的な面をよくするということですね。
言ってみれば、当たり前のことばかりなのです。
経済的に満たされていれば不満は持ちにくくなるはずですよね。
しかし、それができれば誰も苦労しないし、
経営者の一番の頭痛の種のひとつは
“固定費”ですからね。
そんな簡単にどうにかしろと言われても困ってしまいますよね。
しかし、
経済性因子を悪い方向にもっていく要素というのは
ただ単に賃金、処遇制度、雇用の安定といった
大仰なことの以前の段階に眠っていることがあります。
また、賃金、処遇、福利厚生、雇用の安定といった
費用も手間もかかるものも
手を付ける適切なタイミングというものもあります。
それらについて
次章以降で見ていきましょう。
② 経済性因子にアプローチすることの深い意義
人材育成、人材活用のためのES研修における
経済的なアプローチというと言葉だけだと
「給料を上げる」
「福利厚生を充実させる」
「待遇水準を上げる」
等をイメージするかもしれません。
どれも、費用と手間がかかるものばかりですね。
(実際かかりますね)
しかし、経済性因子へのアプローチに関しては
もっと大切なことがあります。
それは
“報われているかどうか”
です。
実はこれは盲点かも知れません。
経営者側が考える従業員の経済的な不満と
従業員側が考える経済的な不満というのはずれがあることが多いです。
経営者側は上述したように
給与や福利厚生などを対象に考えるかもしれません。
実際に、そこがよければ満足度を高めることはできるかもしれません。
しかし、不満を持つようになるのは給与や福利厚生が少ないからというものでもないです。
そりゃ、過度に低く設定されて、世間一般から明らかに悪い方に乖離していれば
それが原因に不満を持ちますし、
その場合は、どちらかというと経営層に改善の余地があるやもしれません。
ただ、実際に従業員側の不満の要因というのは
“報われていない“という思いから生まれてくる場面も多くあります。
正直、給与額などというのは募集要項の段階で書いてあります。
問題なのは、
過剰に長い労働時間であったり
休みが全くない
適切な対価がない(時間外労働手当、休日出勤手当、代休などです)
私が、大学卒業後に入社した医療機器メーカーなどはまさにこれに該当していましたね。
4年間勤めましたが
土日祝日は出社もしくは客先から強制呼び出し(会社公式カレンダー的には休みのはずでした)
平日は基本的に朝5時6時ころには出社、帰りは毎日夜中の2時、3時
時間外労働手当、休日出勤手当、代休は一切なし。
有給休暇取得、労災申請も禁止。
ねぎらいの言葉もなし
という労働条件でした。
まる4年間勤めましたが、まともに休みが取れたのは5日間だけでした。
正直この辺まで来ると、
経済的な満足云々以前の問題で、
会社に対してよい感情というのは一切持っていませんでした。
不満を通り越して、不信と憎しみさえ持っていましたね(笑)
それでも4年間務めたのはキャリア形成のための戦略のためでした。
そういった意味ではES研修を構成する自己実現因子に関してだけは
自主的に高くなるようにしていましたね。
この辺の自己実現因子を高めた事例については
別途紙面を割きますね。
私が勤めていた会社は極端ですが
過度に劣悪な条件を見て見ぬふりをしていれば
従業員の側は “自分は報われていない”
という思いに駆られてしまいます。
説明のつく待遇を提供する。
定量的な面で世間一般と比べて目に見えて
なおかつ過剰に自らのおかれた環境が劣る。
といったことがないようにすることが大切になります。
過剰に待遇を手厚くする必要はありません。
待遇を手厚くするのは、これらの後です。
まずは、従業員を使い捨ての雑巾とみるのではなく、
健康で文化的な生き方をする権利を有する人間だと思って扱うということです。
経済的な不満は金額の絶対値だけでなく、きちんと報われているかどうかも大事。
これらは基本中の基本であり、
組織を運営するうえで、意外とできていないものです。
費用の掛かるプラスαの待遇向上を考える前に
まずは基本からが大切ですね。
③ 経済性因子にアプローチするための注意点
人材育成、人材活用のためのES研修における 経済性因子の向上には言うまでもなく、費用が掛かります。
ES研修を構成する因子である
人間関係因子、自己実現因子に比べると手間も費用が掛かります。
また、組織的な対応も必要になります。
金銭的な満足度を高めるという関係上、
下手すると際限なく欲求は大きくなってしまいます。
「もっと上げてくれ」となってしまう危険性もあります。
だからこそ、工夫が必要なのです。
経済的なアプローチの具体的な手法に関しては
改めて、紙面を割きますね。
これには、かなり工夫の余地と専門的な手法があるので
楽しみにしていてくださいね。
工夫をすれば、さほどの費用をかけずに
上乗せ部分の経済性因子へのアプローチを実行することができます。
④ まとめ
人材育成、人材活用のために行うES研修における
経済性因子へのアプローチというのは一般的には費用と手間が掛かります。
しかしもっと大切なこととして
従業員に
“報われていない”という負の感情を大きくさせないことが
基本になります。
経済的な不満は金額の絶対値だけでなく、きちんと報われているかどうかも大事なのです。
過度に好待遇を提供する必要はありません。
まずは世間並みの待遇と人間扱いをすることが基本になります。
プラスαの待遇面は其の後です。
しかも、そのプラスαの待遇の提供は工夫ひとつで
費用はさほど掛からないようなものなのです。
詳細は次回以降の記事にて説明しますので。
楽しみにしてい下さいね。
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