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従業員満足度(ES)を高めるための動機付要因へのアプローチ

更新日:2022年9月20日

中小企業が有機的かつ、効果的に

人材育成を進めていくための切り口として

従業員満足度(ES)を高めていくことが必要であること。

そして、それへのアプローチとして、

要素別満足という切り口があるという説明をしました。

要素別満足には

・動機付け要因

・衛生要因

の二つがあります。


今回は、

「動機づけ要因」

について詳しく説明します。



① 動機付け要因とは

② 他社貢献実感

③ 理念・ビジョンへの共感

④ 成長・キャリアアップ実感

⑤ まとめ



① 動機付け要因とは

「動機付け要因」というのは

従業員の満足度を高めていくというものです。


動機づけ要因とは

一般的に考える満足度の部分になります。

「衛星要因」と比較するとわかりやすくなります。

衛生要因が従業員の不満に繋がる要因にアプローチし

動機づけ要因が十要因の満足につなげるためのアプローチになります。


「衛星要因」が土台にあたり

「動機付け要因」というのは上物といった感じですね。

「動機付け要因」というのは

会社の理念と従業員個人が目指す方向性をいかに一致させていくか。

といったイメージです。


この「動機付け要因」は以下のような切り口に分解することができます。

・他社貢献実感

・理念、ビジョンへの共感

・成長、キャリアアップ実感


それぞれがどういう意義があり、

どのように取り組んでいくのがよいかについて説明していきますね。




② 他社貢献実感

日々の業務で同僚や取引先など、自分の周りにいる人たちに

貢献している実感が持てているかという切り口です。

当然、同僚や取引先などの自分の周りにいる人たちに

貢献できているという実感が持てている状態にあると、

従業員満足の向上につながります。


忘れないでいただきたいのは、

これは社内向けだけのことではないのです。

部署によって、貢献実感する対象は異なってよいのです。


直接お客様に接する部門に属する人材であれば、

お客様への貢献を実感することで満足が高まることもよいのです。


逆に、お客様と接する機会が少なく、

社内の人たちとの接点が多くなる部署の人材であれば

社内の人たちへの貢献を実感することでよいのです。


これは地味に難しいことで、

「貢献」という言葉から会社への貢献だけと捉えて

それだけに着目してしまう社風の会社も少なくありません。

営業成績などがなかなか上がらないが、

お客様満足を高めようと力を注いでいる従業員の取り組みに

あまり着目せず、

其の人材の取り組みは「会社への貢献が低い」と断じて

その従業員へのねぎらいの言葉をかけない。

そのために、その従業員の「他社貢献実感」を下げてしまい、

その人材の満足度(ES)とモチベーションを下げてしまい、

結果、さらにその人材が成果を上げることから遠ざけてしまうという場面があります。

営業の部署や営業会社だとその傾向が強いです。


他社貢献実感をどのようにとらえていくかというのは

非常に重要かつデリケートな扱いが必要になります。

別途紙面を割いて、詳しく説明をします。



他社貢献実感を高めていくための取り組みとしては

・サンクスカードの活用

・他社貢献度を重視した評価

などが代表的です。


しかし、何より大事なことは、

制度云々以前に、

従業員の一つ一つ、細かな取り組みや工夫などを

見落とさずに拾ってやることが

一番、手っ取り早くかつ

一番、効果的です。




③ 理念・ビジョンへの共感

自分が所属している会社の理念や目指す目標や描く未来像に共感し、

その実現に自分の業務や取り組みが貢献しているかどうかという点です。

会社の理念や目標の実現に自分自身が貢献しているという実感がわけば

その従業員の満足度は高まります。


そのための取り組みとしては

・継続的な理念、ビジョンの確認、浸透させるための場を設ける

・理念、ビジョンの所属部署や担当業務における実現方法の具体化

・理念、ビジョンを踏まえたトップメッセージ発信と信頼感向上につながる言動促進


などですね。

これは非常に重要な個所です。

理念・ビジョンへの共感は従業員が入社してから始まっているわけではありません。

入社前、採用活動の段階からこの取り組みは始まっていなければなりません。

・理念やビジョンをきちんと理解する素養があるのか

・特に理念に共感できるような人間性なのか

などを採用活動の段階から見ていくことが必要になります。


そのためには、

会社の側がきちんと理念を明確にし、

採用を担当する従業員と深く共感をしておかなければなりません。

もう少し、突っ込んだ話をすると

会社が掲げる理念が形だけのきれいごとでないかも

大切です。

意外と、多いのです。

こういう会社。


理念がお題目だけになっているものを見直すことや

採用担当の従業員に会社の理念を改めて共有することが

理念にきちんと共感を持てる人材を採用するうえで非常時重要です。


この点は早急に対応する必要がある場合が多いです。

そういう場合は、外部の研修を取り入れてしまうのも

有効な選択肢の一つです。

こういった理念の明確化と共有のための研修でどのようなことが行われていて

どのように効果的かは

こちらの記事で実態談を載せてあります。

参考にしてみてください。




④ 成長・キャリアアップ実感

会社生活や仕事を通じて、自分自身が成長しているか、

目指すキャリアの実現にきちんと向かっているかの実感が

従業員満足(ES)に繋がっています。

具体的な取り組みとしては

フィードバックの場を設けたり

キャリアへの道筋を描いたり、途中経過の確認の場を設ける

といったことになります。


この、成長・キャリアアップの実感というのは難しいところがあります。

あまり、従業員の要望や願望に寄り過ぎてはいけません。

あくまでの会社の業務に沿った形で

自己実現を図っていく方向に導いていく必要があります。


だからこそ、先にも述べた通り、

会社の理念に共感できる人間性と考え方を備えているかが重要になります。

あまりにも、成長やキャリアアップへの道筋の立て方や取り組みを

従業員任せにしてしまうと

成長はするが、長く会社にとって有用な存在でい続けてはくれない

なんていう、間の抜けた事態に陥りかねません。


これらについては、

で実際にあった間の抜けた話を解説しています。

こちらも、参考にしてみてください。




⑤ まとめ

従業員満足(ES)を高めるためには

具体的な取り組みもいくつもあります。

どれも、場面を間違えなければ有効に機能します。

しかし、その場面が問題なのです。

そして、場面と同じくらい、プロセスも重要になってきます。

地道な社内の習慣、社風づくりと

ES研修などの外部の研修をうまく使い分けていくことが

人材育成、人材活用をより円滑に進めていくためには

有効でしょう。

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