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執筆者の写真檜垣 祐一

人材育成において、人材が専門性を確立していくプロセス

更新日:2022年9月1日

中小企業の人材育成において、

どのように育てていくかというのは永遠の悩みの様なもの。

あまり型にはめすぎるのも可能性をつぶしてしまうかもしれません。

反面、あまりにも行き当たりばったりというのも考え物です。


人材が育っていくプロセスというのは

出会いや仕事との巡り合いという

要素も見逃せません。


今回は、

人材育成のプロセスにおいて

専門性を身に着けていく

仕事との出会いと向き合い方について説明します。


今後、人材育成を担うであろう

マネージャーたちに、

どのように育てるべき

人材たちにどのように仕事と向き合えばよいかを

伝えるための

“言葉”を獲得する機会にしていただければと思います。




① 得意分野、専門分野はどのように決まっていくのか

② 得意分野、専門分野になりうる分野との出会い方

③ “偶然”が得意分野に昇華していくプロセス

④ まとめ


① 得意分野、専門分野はどのように決まっていくか

そもそも、仕事をしていく上で

他の人よりも優れている点や

得意とする点

専門といえる分野

などはどのように決まっていくのでしょうか?


大学、大学院で理系の学部で専門分野を研究している場合は

その研究していた領域が専門になることが多いでしょう。


では、文系の学部を卒業した人材や

研究ではない、

企業運営や営業の現場ではどうでしょうか?

今回は、どちらかというと企業運営や営業の現場をイメージした話になります。


正直な話、

理系の人材や研究職を除くと

入社の段階で専門性や得意分野が決まっている人材は

ほとんどいないでしょう。

大学生の就活の段階では

学んだことを活かしたいと思って

就活するのですが

実際はそれを実務で活かせることはほとんどありません。


では、どのように専門分野や得意分野が選定されていくのでしょうか?

それは、

“仕事との出会い、めぐり逢い”

につきます。

具体的に見ていきましょう。




② 得意分野、専門分野になりうる分野との出会い方

若手の人材が得意分野になりうる領域にどのように出会っていくかについて

説明していきますね。


それは、

“たまたま”であることが多いですね。

自分自身で強烈に意識して

得意分野を習得していく人材もいるにはいますが

そもそも、

本人が強烈に意識しているものが

社内や部署で必要とされている専門分野であるかも

実際は定かではありません。


得意分野が得意分野になるには

なによりも

“経験”が必要になってきます。

その経験を積むためには

社内や部署にその業務がなくてはいけません。

そして、その仕事が其の人材に降りてこなければなりません。


その仕事が降ってくる分野や種類というのは

決め打ちというのは意外と難しいです。

特に新卒などの何ができるかが定まっていない人材の場合は特にです。


実際はたまたまその仕事が割り振られたり

たまたま、出くわした仕事が

結果的に得意分野、ひいては専門分野になっていったりするのです。


はっきり言って、

運にもならない “偶然”であることが大半なのです。


では、

この“偶然”の仕事との出会いというのが

どのようなプロセスを追って

得意分野、専門分野になっていくのでしょうか?



③ “偶然”が得意分野に昇華していくプロセス

では、その“偶然”が得意分野にどのようになっていくのでしょうか?


その出会いは、

たまたま、社内で仕事を振られることから始まります。

「アイツ、暇そうだから」

「みんな忙しくて手が回らないから」

「たまたま前任者がいなくなっちゃった」

「やったことある人がなんかいない」

みたいな、

言葉を選ばずに言うと、 いい加減な理由だったりします。



そこで、わからないながらも

その仕事に手を付けます。

分からないながら、先輩に聞きながら、調べながら

しくじりをしながら進めていきます。

そして息も絶え絶えながら

とりあえず、仕事を完結させます。

正直クオリティは

「10点」程度だったりします。


この10点は10点でよいのです。

ここで大切なのは、

“この仕事をやったことがある”という

小さな実績を作ることが大切なのです。


そすると、社内や部署内で 「アイツはあの仕事をやったことがある」

という風にみられるようになります。


そうすると、

次に同じ仕事が発生した時に 「アイツはこの仕事やったことがあるから、できるだろう」

ということで、

その仕事を任せられるようになります。


一度やったことがあるため、

経験があります。

また、反省点などもあります。

それらを活かしながら仕事をすると

以前よりもいい仕事ができるようになります。

経験を活かして取り組むので

今度は

30点だったり、

もしかすると50点の成果が上げられます。

大切なのは、満足いかないにしても

以前よりもいい仕事ができるということです。


こうなってくると社内での評判は

「アイツ、とりあえずこの仕事できるヤツ」

というものになってきます。

そうなると、

そのような仕事が社内で発生した場合は

「アイツにやらせておけばとりあえず大丈夫」みたいな認識で

その仕事は基本的にその人に回ってきます。

そうなると、処理する回数が増えてくるので

加速度的に経験値が積みあがってきます。


経験が積み重なってくると

80点、90点の仕事が安定的にできるようになってきます。

そうなると社内の評判は

「アイツはこのての仕事に詳しい」

というものになってきます。

自分でも自信がついてくるので

その分野についてもっと詳しくなろうと思って

力が湧いてきてどんどんその分野に精通していき

こだわりも出てきて高みに向かっていき

他人には真似できない水準に到達し

差別化が図れるようになってくるのです。



④ まとめ

専門性というのは実は

たまたまめぐってきた仕事を

投げ出さないでこなしたことをきっかけに生まれてきます。


ここまで書いたことは実は当たり前のことです。

このことを念頭に置いて

人材育成に向き合うと

若手が10点の仕事をしたとしても

起こるにあたらないことが分かってきます。

そして、その場その場での若手を育成していく上での効果的な言葉が見えてきます。



裏を返すと、

それを意識していないことで

目先の結果に腹が立ったり苛立ったりすることも出てきます。

実は意識せずに人材育成に取り組み

エラーが発生したり

育つのを待てなくなってしまっている

現場のマネージャー、管理職は多いです。


人材育成を進めるうえで

当たり前のこともキチンと認識したうえで

若手に向き合うことを意識してみてはいかがでしょうか。

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