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人員整理の手段としてのパワハラはアリか/ナシか

執筆者の写真: 檜垣 祐一檜垣 祐一

日本は従業員を解雇しずらいと言われています。

実際そうですが。

幸か不幸か

解雇しずらい制度設計になり、

人員整理の手法が制限されているからこそ

企業はあの手この手を使って

人員整理をしようとします。

今回は、そんな企業のあの手この手の手法の一つ

“パワハラを仁整理の手段としての用いる”

ことについて、

考えていきましょう。


① 人員整理の手段としてのパワハラとは

② 人員整理の手段としてのパワハラが生み出すもの

③ 人員整理の手段としてのパワハラは組織の仕組みとしてアリか/ナシか



① 人員整理の手段としてのパワハラとは

パワハラを人員整理の手段として用いる。

言葉にしてみるととんでもないことですが

実際に、

人員整理の手段としてパワハラを用いる企業というのは存在します。

私が、以前勤めていた会社はまさに

パワハラを人員整理の手段として用いていました。

あまつさえ、会社の仕組みとして運用していました。


どういう風になるかというと、方法は簡単。

生産性が低い、もしくは気に食わない人員を

苛め抜いて

自分の口から「退職します」と言わせるというものですね。

言ってみれば簡単ですし、

どこの企業でも大なり小なり行われてはいるでしょう。

一対一の人同士のことならば、

まだ会社への悪影響は軽微でしょうが。

これを、組織的に。

さらにはもっと大掛かりに行うと

会社への影響は大きいでしょう。



ちなみに、私の以前、所属していた会社は

誰を虐めて辞めさせると、

必ず次のターゲットを定めて苛め抜いて

退職に追い込むのが

会社の仕組みになっていました。

イジメられている人が、退職に追い込まれたら

「次は誰だ!!俺じゃないか?」

とみんな不安がっていました。


言うまでもなく、

パワハラですし、

倫理やモラルを云々する以前として

制度としても問題です。

当然、表立って

「そんなことしています」

なんて、公言する企業なんてありません。

だからこそ、陰湿ではあります。

ただ、ここではそういった話ではなく

企業の発展という観点から

有効な手段であるかについて考察していきます。



② 人員整理の手段としてのパワハラが生み出すもの

人員整理の手段としてのパワハラを組織の仕組みとするのはどういった効果を企業に与えるのでしょう。

大別すると以下の三つでしょう。

(ⅰ)モチベーションと生産性

(ⅱ)人材育成と採用効率の低下

(ⅲ)社風


(ⅰ)モチベーションと生産性

言うまでもないことですが、

「次は俺じゃないか?」

などと気にしているようであれば、

モチベーションが上がろうはずがありません。

当然、仕事の効率も下がります。

本来、向けるべき方向に注力していないのですから当然ですね。


モチベーションが下がるとモラルも低下するので

さらに仕事の効率は下がり

悪循環に陥りますね。

この点に関しては、以前の記事

にて詳細を述べています。

是非、読んでみてください。



(ⅱ) 人材育成と採用効率の低下

人材育成の面でも問題がありますね。

そもそも論として、

パワハラを人員整理の手段として利用している会社の

管理職はこういうのです。

「生産性が低いから、成長のために指導しているんだ」

「これはパワハラではない、指導だ」

何処かで聞いたことがあるセリフですね(笑)


ここでは、本音に対しての話をしているので

上記の様な建前やきれいごとの向こう側の話をします。

そもそも、辞めさせるもモードでことをあたったり

育たない、ポテンシャルが低いという理由を述べる前に、

其の人材を採用したのは自分たちなのです。


しかも、その人員を採用するにあたって、

コストもかかっているし、

人的リソースも割いているのです。

人材が育たないことを嘆く以前の問題として、

人材としての見極めが甘いという原因があります。

そもそもの採用の基準であったり、見極め方

どのような人材が必要なのか。

会社の未来の姿に、どのポストでどのような活躍をしてもらう必要がある人材を採用するのか。

それに向けて、どのように日々の業務に従事し、人材として育成していくかのプランが

全くない状態で人員の数だけそろえようとするから

人材採用のためのポテンシャルや人格も含めた

見極めが甘くなるのです。


パワハラを用いて人員整理をしなくてはならないという状況というのは

そもそも、それ以前の所に企業体質としての問題があるのです。


また、このように

パワハラを人員整理の手段として用いて

継続的に人員を辞めさせていくと

当選、人員が足りなくなります。

そうすると、人員の補充が必要になりますね。

そのたびに、また人員補充のための採用活動をしなければなりません。


人材を育成していこうという風にならずに

場当たり的に採用していくと、

人材が育っていく姿が組織としてイメージできなくなります。

また、組織図を構成する人材の世代間のピラミッドもいびつになってしまうので

将来的にも特定の世代やポジションに空白が生まれやすくなってしまいます。



(ⅲ)社風と評判

パワハラを人員整理の手段として用いることは

社内の空気、社風を悪くします。

パワハラと社風一見関係ないようなことも密接につながっています。


そもそも、パワハラすることを前提としていたり

虐めることを組織としての仕組みとしているようでは

先輩が後輩をフォローしたり育成していこうという風にはなっていきません。

そうなってくると

社内の人員は自分の保身に走りがちになるし、

協力してことに取り組もうともならなくなります。


人の入れ替わりが激しい組織は外から見ていてもわかるし

組織の人間の表情や考え方は外から見て言えてもわかりますからね。

評判が良くなるはずがありませんね。



③ 人員整理の手段としてのパワハラは組織の仕組みとしてアリか/ナシか

言うまでもなく

パワハラを人員整理の手段として用いるのは

ナシですね。


モラル云々言う以前の問題として、

効率的ではないですね。

生産効率の面からも、

人材育成や組織構造の面からも

何より会社の社風や文化の面からも

非効率この上ないです。


そんなことをしないといけなくなる前段階として、

放逐しなければならないような人員を採用しないようにするための

社内の採用計画を見直す方がよほど

効率的ですし、

根本的な問題解決につながりますね。




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